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PSP版 英雄伝説ガガーブトリロジー 白き魔女

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感想

テーマ

テーマというか、話の根幹というか。ジュリオとクリスはまったく揺るぎなかった。かつて旅したときのまま、変わらない二人だった。この点については、とても忠実な移植がされていたと思う。
おかげで、ちゃんと「白き魔女をプレイしたんだ」という気持ちになれた。良かったと思う。

ミニイベント

話の枝葉として、楽しませてくれるイベントの数々は、いくぶん減っていたように思う。
自分の場合、最初のシャリネの直前にジュリオがクリスにねだられて「ホワイトストーン」を探すイベントが無くなっていたのが惜しかった。姉御肌のクリスというキャラクターにも可愛いところがあるのだと認識させてくれたイベントだったからだ。『好きな子にはついつい突っ張っちゃうのよね~』と、日頃の彼女の言動に親しみを感じられるようになったイベントだけに、残念だと思った。

他にもいくつかあるようだが、元々のPC版白き魔女に明るくないので、割愛させていただく。

戦闘

PC版と大幅に違うシステムになっていた戦闘部分。
何よりも、戦闘開始と終了時のロード時間が長かったのが致命的だった。下手をすると、戦いそのものの時間よりロード時間が長いのである。これは次作に向けて改善を強くお願いしたいと思った。少なくとも「Now Loading」表示はやめていただきたい。

PC(WIN)版の戦闘はHPとVPという概念を持っていた。HPはヒットポイントで、VPが行動ポイントというものだった。攻撃・移動・魔法を使うと行動ポイントが消費され、0になると自動的に回復した(回復中は行動不能)。敵からのダメージはHPを削った。そして、戦闘終了するとどちらも完全回復した。

PSP版は、より標準的なRPGの手法になっている。HP(ヒットポイント)とMP(マジックポイント)である。さらに必殺技用のPOWERゲージが付いている。そして、戦闘中に受けたダメージは自動で回復しなくなった。新しく導入されたペットの役割が「回復アイテムなどを拾ってくること」だったのは、ダメージ回復の支援手段として有効だったと思う。道具屋で回復アイテムを買うことはほとんど無かったのである。

魔獣との遭遇方法も変わった。PC版では魔獣は固定ポイントにいた。数も比較的少なく「時々魔獣が出るよ」という感じだった。今回はフィールドをうようよしていて「魔獣を倒しながら進む」感じだ。しかもパーティと自分を比較して、自分が強いと思った魔獣は追いかけてくるのだ。逆に弱いと思った魔獣は逃げていくが、数が多いので当たりやすかったりもする。

これらを面白さと取るか、煩わしさと取るかはプレイヤー各々で異なるだろう。自分は大いに楽しませてもらった。

だがもちろん、言いたいこともある。
魔法や必殺技を使う際手動でターゲット魔獣を選ぶのだが、そのターゲット魔獣の残りHPが表示されない。せっかくMPを消費して技を繰り出すのだから、残りHPの多い魔獣を狙いたい。
また、魔法を選択するとき、その魔法の説明が出ない。単体魔法なのか範囲・全体なのか。味方に効くのか魔獣に効くのか。あらかじめ設定欄や解説書で予習するプレイヤーばかりではないのだ。

魔法

戦闘の話をしたので、これについても触れておきたい。
矛盾しているキャラクターがいる。

PSP版の解説書には「魔法を使えるキャラクターはどちらかの系統の魔法を使用することができます」(p8)とある。また、「2つの系統の魔法はそれぞれ異なる資質を必要とするため、同時に習得することはできない」(p23)ともある。
でもステラは両方の魔法を持っていた。
これはPC版でも、WIN朱紅い雫で「才能の持ち主だ」とか何とか言って、複数の例外キャラクターを出してしまっているため、この作品単体で結論を出すのは早すぎると思う。
でも、できれば2つの種類の魔法をきっちり分けて欲しかった。

そういえば、デュルゼルは魔法を使えないのにMP欄が0ではなかった。不可思議である。

魔獣

イベントがらみの魔獣以外、PC版白き魔女の魔獣が出てこなかった。
63種類中、約半数がWIN朱紅い雫の魔獣たちだった。残りを海の檻歌の魔獣と白き魔女の魔獣が分け合っている案配だ。
何故?と考えると、真っ先に浮かぶのは色数のことだ。

海の檻歌と白き魔女は256色対応。
WIN朱紅い雫は6万色のHigh Color対応。
ちなみにPSPは1677万色True Color対応だ。

キャラクターチップ一つとっても、使われている色数が断然多い。見栄えがいい。
魔獣以外に村人のチップなども置き換えられていたから、この想像はある程度当たっているのではないだろうか。誰だってより美しい画面に惹かれるものだ。

だが、ガガーブトリロジーには、分断された世界という演出も必要ではないだろうか?
それを担っているのが、各作品で描き分けられた魔獣であり、村人たちではないだろうか。

それともこのリメイクに当たって、解釈が変わっているのかもしれない。
「こんなに似通っているのに、彼らは他に世界があることを知らない」というアピールの仕方かもしれない。
次作でどのような演出がなされるのか。この点を論じるのはそれからでも遅くなさそうだ。

年表

100%コンプリートができなかった。かなり悔しい。

おまけ要素で一番期待していたものだが、正直に言うと、肩すかしにあった気がする。
半分以上、旅の足跡だった。
だがいくつか、何年の出来事なのか、特定されたものがあった。なかなか面白い解釈もある。
ガガーブ年表は元より矛盾をはらんでいるので(PC版でもWIN白き魔女発売時のものと、WIN朱紅い雫内のものとは違いがある)、PSP版の年表がどういうものになっていくか興味は尽きない。

キャラクターの顔グラフィックは大変楽しめた。
次作からは若い人の割合が(少し)高くなるので、一層楽しみだ。

二周目を終えて(2005年2月13日記載)

年表100%は自力でなかったんですが、100%の表示を見たときの達成感は素晴らしかったです。
内容的に、一周目と二周目に違いはありませんでした。お供のペットを一周目は猫、二周目はうさぎにしたのですが、二周目は拾ってくれる数がとても少なかったです。ペットのせいなのか、それともこちらが展開の判っている分さくさく進めてしまったせいなのかはわかりませんが……。

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