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界の軌跡 -Farewell, O Zemuria-

最終更新日 2025年2月1日

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クリアしての感想|界の軌跡

全体の9割まで進むと聞いて

「界の軌跡までの大まかな展開は、空の軌跡(FC)を最初に作るときに決めたもの。」

「界の軌跡で全体の9割(その後、界の軌跡の続編までで、と言い直されたらしいですが)」

自分、軌跡シリーズの一つ前、ガガーブ三部作のファンなのです。
なので、上記の事前情報が出てから、期待するようになりました。
ガガーブを作り終えた後、「次の英伝」に描こうとしたもの。
そういう大きな視野のものが、今回は見られるんじゃないかと。

それともうひとつ。
ガガーブの一つ朱紅い雫は、WIN版でリメイクされていて、使われなかった要素があるんです。
それがひょっこり顔をのぞかせたりしないかなぁ~と、淡い期待もしていました。

実際どうだったかというと、終盤の展開には三つくらい、それっぽさを感じる事が出来ました。

1.自分たちの宇宙計画に剣の名を付け、神殺しをするとの発言。

神殺しは旧朱紅い雫の主人公アヴィンに対してファン界隈で言われた言葉です。
エル・フィルディンにいた一対の神を倒したために呼ばれるようになりました。
界の軌跡では女神の至宝を神に準じるものと見立てて、神殺しと言わせたのでしょう。

2.世界を救うべく自らの全てを捧げる女性の存在。

ガガーブ三部作には、命も、魂も世界のために捧げた女性がいました。
プレイヤーは何もする事が出来なかった。
そういう話の筋立てだったのです。
アニエスの行動は今のところ、それとよく似ているように見えます。

3.神からの自立?

旧朱紅い雫には「神からの自立」というテーマがありました。
グランドリセットの設定は、ヴァンたちにとって容認し難いもののはず。
女神の至宝との対立は、神様にあらがう行為かもしれない。
似てるかなあ?
神様倒してハイ自立、なんていう単純なものじゃないのははっきりしてます。
教会と結社の役割も気になりますし、この先どんなカラクリが待っているのか楽しみです。

アニエスの行動とこの先について

今回アニエスが自己犠牲的なことをするらしいのは、発売後一ヶ月くらいにネタバレを踏んで知ってました。
でも、ゲーム内での匂わせが予想以上に少ないし、彼女に悲壮感もない。
おかしいなあと思っていたらエンディングの最後も最後にあんなことされたら発狂しますよ。
続編早く!って言いますよ、あれ。

ただ、どういう状況なのかは不明確かな、と。
存在そのものが無くなってしまったかのように見えるのですが、そうとは限らないとも思うのです。

祖母、母が亡くなっていることから、アニエスも自身の命が尽きる可能性は感じていたと思うのです。
ですが誕生日より後のことを話題にする時も、悲しんでいたり堪えていたりというリアクションは無かったんですよね。
大切な仕事をします。
終わったら帰ってきます。
そういうスタンスだったと思うんです。

ハミルトン博士が危険性を伝えなかった?
いやそんなことはないと思いたいです。
でも利水工事の時にリリヤとソフィーに謝っていたのは、どんな意味があったのかな。
グランドリセットの可能性を高める行為と知っていて実行してしまったことでしょうか。

それとも、クローデルの三世代には、まだ解きほぐすべき謎があるのかも知れません。
最後にマリエルが顔を見て驚いていた残滓の一人の女性、あれ、シーナ・ディルクではないでしょうか?
ハミルトンにもリリヤにもドミニクにも関わっていた女性。そして剣士。
アニエスの家がシーナの家だったようですし、やっぱりまだ何かありそうに思えます。

別の可能性として、白いレプリカを持つ残滓たちは残っています。
彼らがグランドリセット間近だから現れた揺らぎ、と言っていたのはハミルトンとキンケイドです。
さすがに口から出まかせとは思いませんが、グランドリセットを過ぎたら彼らは消えるのでしょうか?
そこには全く言及されていないことに気づきました。
それに、彼らのボスって誰です?
ハミルトンとキンケイドは一枚岩なのでしょうか?
彼らは一瞬で人を別の地点へ送れる。時すらも越える。
アニエスが彼らに捕らわれた可能性というのも考えられると思いました。

いや、待って。
アニエス自身がゲネシスの力を借りている状態なのだし、自分の意志であのラストの場面は可能?
どこへ何をしに行くのかは想像もつきませんが、有り得ない事でもないような。
大切な人のために危険も厭わない覚悟が出来てましたものね。

グランドリセットもそのハッキングもよく分からない。
19999期をちょっとだけ戻した、という理解で良いのでしょうか。
そもそもの出会いを消されたヴァンとアニエスが、再び巡り会えるのか?
ユメちゃんに一縷の望みを掛けたくなります。
黎2で作り上げた「無かったことになった出来事」を、界で覚えている人が結構いたことも仕込みでしょうか?
え、決して嫌味じゃないですよ?
うちのリセットはこういうリセットなんですと、丁寧に周知したのだと思っていますよ。
個人的にはアルベール君がヴァンの事をライバルだと忘れずにいてくれると嬉しいかな。

いずれにせよ、ヴァンの物語は、まだエンドマークを打っていない。
だったら、することはひとつだと思うのです。

「取り戻す」

これも朱紅い雫のゲーム終盤のセリフですが、ヴァンさんに贈りたい。
やるしかないでしょう。

良かったところ

ボスバトル前後に多かったイベントバトルが、格段に良くなっていて見惚れました。
特にリィンと老師のイベント、『これで主人公じゃないのか』と驚愕するほどの緊迫感でした。

ケビンの存在感。助演男優賞があるなら迷わずこの人にあげたい。
情報筒抜けになるとしか思えなかった黒の庭城をコントロール出来たのはケビンがいたからだと思いました。

リゼット関連のイベントがどんどん話が大きくなってビックリ。
まだ続きがありそうですが、楽しみです。

自動販売機の中身が一つのエリアで共通しているのは有難かったです。
料理も相当な数があるので(一つ逃しましたし)少しでも楽になると嬉しいです。

ポムを倒すの楽しかったです。これからも入れて欲しい。

改善して欲しいところ

リーシャの胸がですね、いささか大きいが過ぎるかと思いました。

トワがクロウに目くじらを立てるのが頻繁にあって残念でした。
もっと魅力を出す方向で描いて欲しかったです。

ボス戦で、バトル中に画面下に出てくるテキスト、邪魔です。
バトルに集中できなくなりました。

黒の庭城ではクリア条件を満たしても、即脱出できませんでしたが、つらかったです。
攻略中はセーブも出来ないので、時短要素は残して欲しかったです。

ひとりの旧朱紅い雫ファンが脱帽した界の軌跡

ものすごく個人的な話をします。

上に書いたように、自分は旧朱紅い雫のファンです。
旧って何よ?って思われますよね。
昔出たのが旧で、WindowsやPSPのが新です。
(そろそろ日本でも動きそうなモバイル版も新です。)

大きな違いがシナリオで、大まかなあらすじは同じだけど、イベントレベルになるとフルリメイクされてます。
仲間とのイベントが主軸になり、同じ世界の仲間と困難を解決していく流れになりました。

その新しい朱紅い雫を作ったのが「空の軌跡(FC)」チーム。
つまり今の軌跡チームです。

旧→新で消えてしまった要素も大事にしてくれていました。
PC版の空の軌跡SCが出た後、公式サイトのスタッフインタビューが載ったんです。
その中で「旧朱紅い雫のオープンシナリオは新に入れられなかったので、ブレイサ―クエストにしました(うろ覚え)」
という発言があって、グッジョブとこぶしを握りしめたものです。

当時の自分は、新しい朱紅い雫にうまく馴染めなくて、まあ、今もまだ苦手意識は残っています。
ゲームを遊ぶ前には、それこそPVをコマ送りで見るくらいはしゃいでいたのです。
が、途中で見たかったイベントが丸々消えていることがわかって一気に萎えてしまいました。

そんなわけで軌跡シリーズとの付き合い方も、
「事前に期待しすぎない。期待は100%で押さえておく」
(レンやリィンを好きになったのでつらかった…)
「PV見るのは1~2回にとどめておいて独自の予想をしない」
なんていう縛りを入れています。
軌跡を遊んでいても、苦手意識が働くのか、今一つのめり込めなかったのです。

でも今回。
界の軌跡を遊んでいて、様々な作品を彩っていたキャラクターがそれぞれのルートで頑張るのを見て。
いろんな勢力の人たちが、思いもかけぬ連携を見せたり、数作を跨いだ絆を見せたりするのを見て。
街角の人たちの成長や再会、遊撃士が目まぐるしく居場所を変えて事に当たっているのを見て。

なんて複雑で広大な世界を作り上げているんだろうって。
これを作った人たちが、朱紅い雫を新しく作り直してくれたんだなあ、って。
骨子を崩さず、取捨選択はあったけれども、豊かな物語にしてくれたんだなあって。
すごい事だなって、初めて思えたのです。

エミリア少佐が偉業を達成したあたりだったでしょうか。感無量になりました。

20年軌跡を追い掛けてきて良かった。

カルバードも”いつか訪れてみたい街”になりそうです。

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