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Fanfiction 二次創作 封印の地|永遠の護り

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永遠の護り

ネフティスの淵に掛かる橋の上で、アヴィンはじっと水面を見つめていた。
その、思いつめた様子を見つけて、マイルは足早に歩み寄った。
「アヴィン。どうしたんだい?」
「!」
マイルの姿を見て、アヴィンはどきりとした様子で身体の向きを変えた。
「な、何でもないよ。」
「・・アヴィン。僕にそんな言い訳が通用するとでも思っているの?」
マイルはすぐ横に立って、アヴィンの顔を覗き込んだ。
「何か考え込んでいただろう?」
「そんな事ないっ。」
アヴィンはそっぽを向いたまま答えた。
「素直じゃないね。教えてくれないの?」
「何でもないったら!」

「ふーん。」
マイルは拗ねているアヴィンを見て黙り込んだ。
こういう時は正面から粘ってもダメだ。アヴィンはなかなか頑固なのである。
ちょっとやり方を変えないと・・。
マイルはアヴィンに並んでネフティスの淵を見下ろした。
「ここにはもう、ネフティス様はいないんだよね。」
「・・・」
「でも僕はずっと忘れないな。ネフティス様が願いをかなえてくださって、僕はアヴィンに会えたんだもんね。」
少しばかりの感傷を言葉に乗せてつぶやくと、予想通りアヴィンはこちらを向いた。
「僕はこれからもずっと、感謝しながら生きていくだろうね。」
マイルはアヴィンに向かって笑いかけた。

「なあ、マイル。」
アヴィンが、真面目な顔で言った。
「なんだい、アヴィン。」
マイルはアヴィンが話す気になってくれたのが嬉しくて、元気よく返事をした。
アヴィンは一瞬、マイルの策略にはまったことに気付いて顔をしかめたが、すぐに真面目な顔に戻って話し出した。
「実は俺、考えていたんだ。
マイルがおじさんから譲り受けた、護りの鈴。
おじさんやお爺さんの深い思いが込められているっていう鈴。」
「うん?」
アヴィンが一体何を言い出したのかとマイルは面食らった。
「マイル。マイルがあの鈴に誓ったのは・・・、
何を置いても大事に守ってくれたのは、俺だった?」
「そうだよ、アヴィン。」
マイルはアヴィンを見つめて肯いた。
「今も・・・ずっと、そう想ってくれているのか?」
アヴィンもマイルをじっと見つめて聞いた。
『これは・・・なんかいつものアヴィンじゃない。』
マイルはやっと気が付いた。
少し頬が紅潮しているのは、見間違いではないようだ。
『もしかしたら、アヴィンも僕の事を・・・?』
マイルの顔にも赤味が差す。
いや、ちゃんと確認するまでぬか喜びをしちゃいけないと、マイルは自分のはやる心を押さえた。
「うん。これからもずっと、君を守っていくよ。」
マイルはありったけの優しさと慈しみを言葉とまなざしに込めて、アヴィンに答えた。

アヴィンはにこっと笑った。
「それじゃあマイル、お願いがあるんだ。」
「え?」
「あの鈴、俺に預けてくれよ。」
アヴィンは笑顔で手を差し出した。
マイルがわけのわからないまま護りの鈴を取り出すと、
アヴィンはそれを奪い取るようにして手のひらに包み込んで、胸元に大事そうに握りしめた。
「二度も、俺につらい思いを味合わせて・・・。もうだめだからな。
これは俺が預かる。
だから、お前はもう、永遠に無くさないんだ。」
「アヴィン・・・?!」
「マイルの願いも、俺の願いも、永遠に・・・。」
はにかむような笑顔を浮かべるアヴィンを見て、マイルは、何とか自分を押しとどめようとした。
でも、身体の芯から溢れてくる歓喜は止まりようがなく、マイルは今度こそぎゅっとアヴィンを抱きしめた。

「今年の祭りで、お願いをしようと思っていたんだ。」
マイルはアヴィンにささやいた。
「何だ、マイル?」
マイルの腕の中で、アヴィンは聞いた。
「僕たちが、ずっと一緒にいられるようにって。」
「そんなこと・・・今さら、願うまでもないじゃないか。」
やや乱暴にアヴィンは答え、それからマイルの胸に顔をうずめた。
「俺たち、いつまでも一緒だろ!」
「ん・・・そうだね。ずっと一緒だね。」
『誓うよ。君を、永遠に・・・。』
マイルはアヴィンのあごに手を添えて、上を向かせた。


お祝いの品ということで、アヴィンとマイルの二人に出張ってもらいました。
どちらかというとアヴィン×マイルの方が書きやすい(笑)のですが、逆カップルになってしまうので、
一生懸命マイルにがんばってもらいました。でも、難しいです~。

一言だけ言わせてください。
あの~、村の中なんですけど? お二人さん。
公認になるのはいいけど、アイメルとルティスになんて言い訳するんでしょう(笑)。

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