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零の軌跡:軌跡シリーズとしての感想

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感想

軌跡シリーズとしての感想

こんなに深く繋がっているなんて思わなかった、というのが第一印象かな、やはり。第一章からエステルとヨシュアの姿を見られたあたりで、ガガーブシリーズのような、気付いてニヤッとする繋がりじゃない事ははっきりした。が、その先、出るわ出るわ。世界観。歴史。キャラクターも。まるで空の軌跡のおさらいのようだった。(まんまおさらいクイズもあった。しかも序章だったっけ、あれ)

零の軌跡から始めた人は、さぞかし謎が残りまくったことだろう。結末がしっくりこないというのではなく、世界のあちこちに見えない霧がかかっているような印象を持たなかっただろうか。

空の軌跡を一応ひと通り(サブクエストを無視して、本筋だけ)遊んでいた自分も、実はすごくすっきりしない部分が残った。アルモリカ村の食堂で本の話題を延々と振るNPC。彼が次々と出してくる話題に、空の軌跡の本集めを放棄していた自分は付いていけなかった。
中盤で話題になってくる猟兵団。空の軌跡FCで、どこかのシーンでそいつらの話が出た気がするのだ。その時、メインのストーリーが気になるものだから、猟兵団の説明など『関係ない話なんかしなくていいのに!』とばかりに飛ばしたような気がするのだ。3rdでも似たようなことをやらかした気がする。
そう、今それをとっても後悔している。ちゃんと読んでおけば良かった~~!と叫びたくなるのだ。

解決方法は再プレイしかないではないか。まだ遊んでなかった人なら、空の軌跡を手に取るしかないではないか。
零の軌跡そのものに周回プレイ要素があるのに、その上で空の軌跡への引きもある。もう一回プレイしたら、違う側面から眺められそうな予感。発売媒体がPSPに変わって、「遊び終わったら売る」という選択のある市場の中で、売り飛ばし難い仕込みを入れてきてるなあと感じた。

空の軌跡SCが終わったとき、「次は帝国か?共和国か?」と誰もが思っていたと思う。あまりにも帝国側への引きが強かったから、『ここはワンクッション入れて共和国が先だろう』くらいは思っていた人も多かっただろう。しかしまさかのクロスベル自治州。3rdで少し他の国や地域より多めに取り上げられていたけれど、一作まるまる作れる舞台だとは予想だにしなかった。

そして今回、会話の中で各地の様子が沢山語られている。網の目のように絡まりあった、あの世界の断片。目に見えなくても、たくさんの種が蒔かれているに違いない。
だいたい遊撃士の諸君が地方色豊かである。アリオスはレミファリアへ何度行っていたか。エオリアはそのレミファリアの出身だ。ヴェンツェルが帝国、リンが共和国。エステル、ヨシュアもリベールでいいだろうか。
帝国からも、共和国からも、お忍びでやって来た人がいた。
エプスタイン財団のあるところや、協会の本拠地アルテリアだっけ?そんな国もあるわけで、次の作品がどこを舞台にするのか、皆目見当もつかない。
いや、クロスベルでもう一本かも知れないとは思う。中央広場の鐘がただの飾りだと思っている人はいないだろう。

さて、空から続いていたキャラの話をしたい。
レンの話がちゃんと完結するとは思わなかった。いささか予想範囲内に収まってしまったきらいはあるが、でもちゃんとまとめてくれて嬉しかった。もっと長々と引きずられて、付き合いきれなくなるんじゃないかと思っていたんだ。
scの終章、3rdのエンディングを見ると、レンに変化が起こっているのは明らかだった。あの揺らぎがレンの魅力であり、エステルたちの居る側へ戻れる希望だと思った。その方向で話が展開してくれたのは嬉しい。
だが、エステルとヨシュアが自分たちの元へ引き取ろうとしているのには違和感があるのだ。ヘイワード家に返せというのではない。それは無理だろう。リベールへ連れて行っても構わないと思うが、まるで家族のように一緒に過ごすつもりでいるのだろうか?

ヨシュアはエステルと一緒にいることで平静を保っていられるのだろうと思う。
過去の罪を背負うという意味で、ヨシュアとレンは同じである。そんな重い人を二人もエステルに押し付けて、それで良いのか?エステルは耐え切れるのか?明るそうに見えて、深い亀裂に落ち込むこともある彼女だ。重すぎないだろうか。
ヨシュアもレンも、自力で立ち直っていくだろうか。ヨシュアは恋人でもあるから、深いつながりを得て良い方向に作用するかも知れない。(修行の旅と言われても、婚前旅行でしょ?と返したくなる。あの二人は。)
レンは変わっていくだろうか。今回、「彼」と呼んでいたから、家族に対する思いは整理されつつあったんだろう。いくつかの大きな障害を取り除いて、でも彼女には、まだ組織という大きな障害が立ち塞がっているはずだ。ヨシュアのように心を操作されていたわけではないのだろうし。投薬で開眼した能力だそうだけど、自分の意志で組織の一員で在り続けたのだろうから。

レンがこれからどう生きるのか、また見せてくれるだろうか。見たいような、想像の中で補っておきたいようなどっちつかずの気分だ。

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